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がん予防の基本 ①禁煙

がんの最も大きなリスク要因は喫煙

 

ヨーロッパの大航海時代に、コロンブスが南米からスペインに持ち帰ったタバコ。当時は病気に対する万能薬として使用されていましたが、現在は正反対の「最大の発がん物質」としてとらえられています。

たばこの発がん性や有毒性を証明する信頼性の高い研究として、2004年にイギ リスの医学誌に報告された研究を紹介します。これはイギリスの男性医師34000人を50年間にわたって追跡し、「たばこと寿命の関係」を調べた壮大な調査です。

たばこは確実に発がん性を高める

それによると、喫煙者は非喫煙者より寿命が10年短く、たばこによって死亡リスクが上がる病気は24種類にのぽり、特に1日25本以上のへビースモーカーのロ腔、咽頭、肺、食道がんによる死亡リスクは、非喫煙者の15倍。膀胱、脖臟がんは3倍以上。胃がん、骨髄性白血病、直腸がんのリスクも上昇すると報告しています。 また、18歳でたばこを始めた人が30歳で禁煙すると10年、40歳で9年、50歳で6年、60歳でも3年寿命が延びるとしています。

この論文の著者のドール博士自身、たばこの害を確信する37歳まで19年間たばこを吸っていましたが、その後は禁煙。論文発表時は91歳に達していたのですから、なかなか説得力のある研究ではないでしょうか。

さらにこの研究は、たばこがリスクを高めるがん以外の病気として、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患、心筋梗塞・脳卒中などの循環器疾患、消化性潰瘍、肝硬変などをあげ、さらに自殺との関連性にも言及しています。

一方、40〜69歳の男女8万人を対象に8年間追跡した別の研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんリスクは4〜5倍、何らかのがんにかかるリスクは1.5~1.6倍に高まることが示されました。

禁煙は今からでも遅くない!

では、たばこをやめると寿命が延びるように、発がんリスクも低下するのでしようか。中には「20〜30年間もたばこを吸ってきたから、今さら禁煙しても無駄だろう」と 考える喫煙者がいるかもしれません。

禁煙した人を年数ごとに分けて肺がんの発生率を比較したところ、たばこをやめてから9年以内の人のリスクは3倍、10〜19年で1.8倍、20年以上は非唆煙者とほぼ同等、という結果が出ています。時間はかかりますが、禁煙すれば肺がんリスクは徐々に低下するのです。このように、寿命や発がん性と深く関連する喫煙ですが、たばこをやめれは逆にがん発生リスクを低下させることも可能です。がんと無縁の老後を過ごすためには、喫煙者はなるべく早くたばこをやめるべきでしよう。

 

日本の喫煙率は低下傾向にあるが…

世界的に喫煙者が減少するなかで未だに喫煙大国と言われる日本ですが、男性の喫煙率は低下傾向を示しています。

2014年に発表された、JTの「全国たばこ喫煙者率調査」によると男性の喫煙率は30%(前年比マイナス2%、女性は9.8%(前年比マイナス0.7 %)でした。男性の喫煙率のピークは1966年の83%でしたから、この48年間で53%も減少したことになります。その結果を反映して、喫煙と密接な閨係にある肺がん死亡率が、約20年のタイムラグを経て、1990年代半ばから減少に転じました。

女性喫煙率のピークも1966年の18%ですから8%減少しましたが、男性ほどの減少率には至っていません。その動向を反映して、女性の肺がん死亡率は減少傾向がほとんど見られません。

女性の喫煙率と乳がん、子宮頸がんの関係

国際的に見ると、日本人女性の喫煙率は比較的低いものの、20〜30代の若い世代の喫煙率がほぼ横ばいで推移していることが、子宮頸がんや乳がんの発生リスクを高めるのではないかと問題視されています。

IARC(国際ガン研究機関)による「喫煙とたばこ煙」に対する発がん性評価は、子宮頸がんの主原因ではないものの、喫煙は確実に原因になると判定しています。また、乳がんに対しては喫煙の影響によりリスクが高まるという報告がありますが、確実とまでは判定していません。

しかしある調査では、受動喫煙により、閉経前の女性の乳がんリスクが高くなるとの報告も出ています。やはり喫煙率の低い日本の女性といえども、たばこの煙には十分な注意が必要なのです。

恐ろしい受動喫煙

「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます」、「喫煙はあなたにとって肺がんの原因の一つになります」日本で売られているたばこのパッケージには、このような数種類の警告文が印刷されています。

しかし、喫煙はあなた自身の健康を損なうばかりではなく、受動喫煙により周囲の人々や子ども、パートナーの健康に影響を与えたり、発がんリスク高めたりしていることこが大きな問題なのです。

喫煙者が集まる喫茶店や居酒屋はもちろん、家庭内やオフィスに喫煙者がいれば、 自分の意思にかかわらずたばこの煙にさらされます。発がんリスクの最も高い煙にさらされるのですから、たばこを吸わない人にとっては大変迷惑なことです。 「受動喫煙でホントにがんになるの?」と軽く考えているのは、喫煙者だけでなく非喫煙者でさえも少なくありません。

サービス業に従事している方は特に注意

こんな調査があります。20〜64歳の一般人の死因と雇用の関係を調べた英国の研究では、「全死因の20%は家庭や職場の受動喫煙が原因で、特にその半分はサービス業従業者に見られた」としています。パブ、レストラン、クラブなどで働く人々は、客のたばこの煙を吸わざるを得ず、これが原因で亡くなることが多いということです。つまりこれは、喫煙可能な店の店員として働いているだけで寿命が縮んでいる、ということになります。

現在、イギリスでは屋内での喫煙は法律で禁止されており、パブなどの外に灰皿が置かれています。喫煙大国の日本ても、これは他人ごとではありません。喫煙者が多い居酒屋や喫茶店、パチンコ店などで働く人は注意が必要です。また、政治的に禁煙に関する法整備を素早く進める必要もあるでしょう。

夫が喫煙者。妻の発がん性は…

明らかに受動喫煙を受ける人と、受けない人では発がんリスクはどの程度違うのでしょうか。研究によると、喫煙していない女性約3万人を13年間追跡調査したものがあります。その結果、夫が非喫煙者の発がんリスクを1とした場合、夫が過去に喫煙していると、肺腺がんのリスクは1.5倍、夫が喫煙者で1日20本未満は1.7倍、20本以上は2.2倍とリスクが高まります。すべてのタイプの肺がんのリスクは、夫が非喫煙者と比較して喫煙者の場合は1.3倍でした。

夫の喫煙による受動喫煙で、配偶者の肺がんリスクが1.3倍になるというのは、 世界の似たような研究とほぼ同じ結果でした。

ちなみに、肺腺がんとは、非喫煙者に多く、たばこの煙の小さな粒子が肺の奥まで入り込むと発生します。これに対し、喫煙者に多い肺がんは、気管にタールなどのさまざまな発がん物質が溜まることで発生する肺扁平上皮がんが多くなります。

なお、肺腺がんはたばこの煙をはじめ、自動車の排気ガス、大気汚染、粉塵、PM2.5 (微小粒子状物質)などが原因で発生することもありますが、喫煙者の夫を持つ非喫煙者の女性がこのタィプの肺がんにかかった場合は、37%が受動喫煙が原因と推定されます。

受動喫煙を避ける

繰り返しになりますが、たばこは喫煙者だけではなく、たばこを吸わない人にまで危害を与えています。アメリカの多くの州や欧州各国、アジアの多くの国では、飲食店を含めた公共施設の屋内空間を全面禁煙とする「禁煙法」が定められています。

自分がたばこを吸わないのはもちろんのこと、“受動喫煙を避ける”ことも非常に重要です。

ところが、日本のレストランや喫茶店では、禁煙スぺースと喫煙スぺースを単に分 けたり、仕切り扉などで区切つたりする施設が多いですが、この効果はほとんど期待 できませんし、かえつて、受動喫煙を増長させてしまう可能性があります。

なぜなら、喫煙スぺースのたばこの煙のPM2.5濃度は非常に高くなります。その危険きわまりない煙が、仕切り扉が開閉するたびに禁煙席に流れ込む可能性が高くなります。また、仕切り扉がなく、単にスぺースだけで区切っている場合、空調設備の風の流れや人の動きで、煙が禁煙スぺースまで漂うこともあります。

つまり、受動喫煙を防ぐためには、屋内全面禁煙を徹底することが急務なのです が、日本は世界の禁煙先進国に比べ法制化も進んでいません。受動喫煙で健康被圭が起こる、がんの発生リスクが高くなるといったことなどが明らかになった現在、せめて屋内全面禁煙法などを整備する必要があるのではないでしようか。

禁煙は予防的代替療法

ここまで、たばこは最大の発がん物質である、と繰り返し述べてきました。つまり「タバコをやめることなく、がんを予防しようしても無理です」と言わざるを得ません。

たとえば、がんを予防するために、食事や飲酒に気をつけたり、代替医療としてサプリメントを意識的に摂ったりする人もいるでしょう。あるいは、ウォーキングなどの適度な運動を 毎日行ない、適正体重を維持するように心がける人もいるでしよう。このような人たちは、何もしていない人に比べてがんにかかる統計的なリスクは確かに低くなります。

しかし、それには「たぼこを吸っていない」という前提が必要です。

低ニコチン・低タールのたばこ

なかには、「たばこは吸うけど、低ニコチン低タールの銘柄を選んでいるから大丈夫」と思っている人がいるかもしれません。しかし、低タールのたばこで も、リスクはゼロになりません。たとえば、たばこを毎日10本吸う人の発がんリスクは30本吸う人より低いという程度です。

このような誤解を招くことのないように、たばこの銘柄に「ライト」や「マイルド」 といった表現を禁止する法律がヨーロッパやアメリカでは整備されていますが、日本ではなかなか難しいようです。

いずれにしても、低タール、低ニコチンのたばこであっても、たばこはたばこなのです。健康やがん予防に関するプラス要因は何もありません。がんを予防したいなら、きっばり禁煙することをおすすめします。

 - がん発症・再発の予防